スペック
ニックネーム:みぃ
年齢:30代前半
ルックス:★★★★★
スタイル:ナイスバディー
サイト:ワクワクメール
みぃの場合
犬をもらって下さい
「犬をもらってください」
例年のようにつつがなくクリスマス・イブの夜を一人寂しく過ごした翌朝に、こんなメールが届いていたら、きっと誰もが困惑するだろう。
いつだってみぃちゃんからのメールには驚かされる。
半年振りの懐かしい人からのメールに、すこしの間思案した後、僕はみぃちゃんに返信を返した。
明日遊べる人!
攻略のために掲示板を殆ど利用しない僕が、暇を持て余して珍しく、ワクワクメールの掲示板を見た。ピュアの方だ。僕は割り切りはしない。
「今から遊ぼ?!」にその書込みはあった。
「明日こそ誰かと会わねば。会ってくれる人!」
誰似:ギリギリ広末涼子
その書込みに吸い寄せられるように、僕はメールをした。
ほどなくして返信はきた。
「いいよ」
短いやり取りでアポを取り付け、翌日待ち合わせの場所に行った。
イオンと呼ぶよりジャスコが相応しい、そんな田舎のイオンの噴水前だ。
目が合い、お互いを確認した。
確かに広末だ。というより、みぃちゃんの方がかわいい。
みぃちゃんからの提案で、近くのファミレスで食事をし、カラオケに行った。
写メでOKしてくれて、喋る時間とサザンを歌う時間を与えて貰えれば、僕はまぁまぁの確率で相手をなびかせることができる。もっとも、僕が若い子にあまり興味が無いといのも幸いしているが。
みぃちゃんは歌はヘタだが、スタイルは素晴らしい。Eカップというのも嘘ではない。僕はいっぺんに恋をした。
みぃちゃんも僕が気に入ってくれたようで、時間を置かずに、僕らは恋人と呼べる仲になった。
私みたいな変なやつに構わないで
残念ながら、みぃちゃんとの仲は、あまり長くは続かなかった。
みぃちゃんは、メンタルに問題を抱えていたことがわかった。出会い系には、メンヘラが多い。
「私みたいな変なやつに構わないで」
それが、みぃちゃんから唐突に送られてきた、最後のメールだった。
こちらからメールを3度送るも、応答は無い。
それきりとなった。
犬をもらって下さい
「犬をもらってください」
半年後に、突然のメールがきた。
僕はすぐに折り返して、事情を聞いた。
何でも、両親が犬を飼っているが、その犬を虐待しているらしいとのこと。その犬を助けたいらしい。
確かに僕の家では犬を2匹飼っているが、そう簡単にもう一匹飼う訳にはいかない。
それ以前に、みぃちゃんの両親は、そもそも犬を飼っていない。
みぃちゃんには、みぃちゃんにしか見えない世界がある。そう、みぃちゃんは、メンヘラなのだ。
代わりに僕は、里親紹介のサイトを見つけ、アドレスを伝えた。
それが、みぃちゃんは気に入らなかったようだ。
「あなたなんかに構ってられない」
やれやれ、メンヘラとの意思疎通は難しい。
ワクワクメールの攻略法はこちら